冬明けのねぎ塩だれ(柑橘入り)

冬明けのねぎ塩だれ(柑橘入り)

— 冬の影をほどき、光へ向かうための小さな通路 —

冬の終わり、台所に立つと、ねぎの香りがいつもより甘く感じられる瞬間がある。寒さの中でゆっくり育った冬のねぎは、白い繊維の奥に水分をたっぷり含み、刻んだ途端にその季節の気配をまっすぐに放つ。冬明けは、身体がまだ冬の重さを抱えながらも、光の変化に引かれるように少しずつ外側へ開いていく時期。ねぎの甘味と塩の締まり、柑橘の明るさは、その揺らぎに寄り添う小さな通路になる。

ねぎを細かく刻む所作は、冬の静けさをほどくような動きだ。包丁がまな板に触れる音が、季節の境目を静かに刻む。そこに柑橘の果汁をひとしずく落とすと、冬の奥に差し込む光のような明るさが生まれ、味の輪郭がやわらかく整う。Preserves & Basics の料理は主役ではなく“支える存在”だけれど、このたれは素材の甘味や香りをそっと引き出し、冬明けの食卓を軽やかに整えてくれる。

使い方はとても自由だ。蒸した豆腐や厚揚げにひとさじ添えると、淡い旨味が光をまとったように変わる。雑穀のおかゆや玄米ごはんに落とせば、呼吸が深まるようなやさしい一皿になる。春野菜の蒸しものに合わせると、苦味や甘味がほどけて、季節の入口がふっと開く。焼いた長芋やれんこん、ブロッコリーなどの野菜にもよく合い、ただ少量を添えるだけで台所の空気が軽くなる。

保存食というより、季節の入口を知らせる小さな合図のような存在。冬明けの台所に、そっと置いておきたい一瓶。

材料

ねぎ…1本(白い部分)

塩…小さじ1/2

柑橘果汁(ゆず・レモンなど)…小さじ1

ごま油…小さじ1

すりおろし生姜…少量(好みで)

使用する道具

包丁

まな板

小さめのボウル

計量スプーン

保存容器(小瓶など)

手順

1.ねぎを刻む
白い部分を細かいみじん切りにする。
→ 細かいほど香りが均一に広がる。

2.調味料を合わせる
ボウルに塩・柑橘果汁・ごま油を入れて混ぜる。
→ 先に塩を溶かすと味が馴染みやすい。

3.ねぎを加える
刻んだねぎを加えて全体を和える。
→ ねぎの水分が調味料と馴染み、味がまとまる。

4.味を整える
好みで生姜を少量加える。
→ 冬明けの身体に温かさが加わる。

5.保存容器に移す
清潔な容器に入れ、冷蔵庫で保存する。

メモ

柑橘は入れすぎると酸味が強くなるので控えめに。

ごま油は香りの強いものより、軽いものが合う。

冬のねぎは甘味が強いので、塩は少なめから調整。

季節

冬明け(2月後半)

季節の気配

甘味のある香りが立ち、光が柔らかくなる時期。

難易度

すぐできる

所要時間

10分

味の方向性

塩気が中心

味のニュアンス

みずみずしさ、柑橘の明るい余韻

身体の方向性

巡り・呼吸が深まる

食卓の情景

冬明けの昼下がり、光が差し込む台所で。

保存性

冷蔵2〜3日

ひとこと

季節の入口をそっと添える、小さな一瓶。

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