— 冬の光を瓶に閉じ込める —
冬の台所には、外の冷たい空気とは対照的に、柑橘の香りだけが小さな太陽のように明るく感じられる瞬間がある。とくにオレンジは、冬の果物の中でも柔らかい光を宿していて、レモンの鋭い酸味と合わせると、季節の深いところに静かに差し込むような温かさが生まれる。そこに新しょうがの熱を重ねると、身体の奥がじんわりと温まり、冬に滞りがちな巡りがゆっくりとひらいていく。
このジンジャーソースは、炭酸で割れば軽やかなクラフトジンジャーエールに、お湯で割れば喉をやさしく包む冬の飲み物に変わる。紅茶に少し落とすと、香りの層が深まり、冬の午後に似合う静かな一杯になる。ピンクペッパーのマイルドなスパイシーさは、香りの余韻をやわらかく支え、冬の飲み物に必要な“温かさの輪郭”をつくってくれる。
しょうがを皮ごとすりおろし、果汁とスパイスを合わせて煮出すだけのシンプルな作り方なのに、仕上がりは驚くほど豊か。冬の光と香りを瓶に閉じ込めるような、小さな保存食。冷蔵で一週間ほど楽しめる、冬の身体に寄り添うジンジャーソース。

